『TEDから学ぶ、未来を変える!宇宙エレベーター』
『TEDから学ぶ未来を変える!宇宙エレベーター』
URL:https://www.ted.com/talks/fabio_pacucci_yes_scientists_are_actually_building_an_elevator_to_space
宇宙エレベーターは、地球と宇宙をつなぐ輸送手段で、従来のロケットよりも安全で容易かつ安価にできます。
スペースX社のファルコン9ロケットは、貨物を軌道に乗せるのに1kgにつき約7500ドルかかりますが、宇宙エレベーターはこのコストを95%削減できると予測されています。実現するためには、地球の自転による遠心力が引力よりも大きくなるようにカウンターウェイトを十分遠くに離し、カウンターウェイトは地表から約3万6000kmの高さ以上に設ける必要があります。この距離にある物体が静止軌道上にあるということは、地球の自転と同じ速度で地球の周りを回っていることになるので、上空で静止しているように見えます。カウンターウェイト自体は、とらえた小惑星でも何でも構いません。遠心加速度を最大にするためには、この係留地点は赤道に近いところにあるべきです。また荷積み場を移動可能な海上基地に設けることで、システム全体を自由に移動させることができ、異常気象を回避したり、宇宙ゴミや衛星を避けたりすることができます。設置が完了した後は、クライマーという装置に荷物を積み込み、ケーブルに沿って荷物を引っ張り軌道に乗せます。これらの装置には膨大な電力が必要になりますが、その電力はソーラーパネルや原子力システムでまかなうことができます。現在の設計では、静止軌道上に物体を運び上げるのに8日間程かかるようです。また放射線を適切に遮蔽すれば、理論的には人間も乗ることができます。宇宙エレベーターの建造には、巨大な重量を支えるだけでなく、ケーブルの素材もカウンターウェイトによる張力に耐えられる強度にする必要があります。カーボンナノチューブやダイヤモンドナノスレッドなどの人工素材は、十分な強度と軽さを備えた素材として期待されています。しかし、これまでのところ非常に小さなナノチューブのチェーンしか製造できていません。また重力の弱い箇所に建てるという方法もあります。火星や月を利用した宇宙エレベーターは既にある材料で可能です。しかし、地球上に宇宙エレベーターを設置することは多大な経済的利益があるため、多くの国がこの難問を解決しようとしています。実際、中国や日本のいくつかの企業は、2050年までに建造を完成させる計画を立てています。